サーマル・インターフェース・マテリアル(以下 TIM )は、発熱するデバイスとヒートシンクとの間の小さな隙間や凸凹を埋め、効率よく熱をヒートシンクに伝えるという重要な役割があります。
現在、市場には様々な TIM が存在しますが、性能・コスト・作業性・使用環境(荷重状況、厚み)などに合わせ、適切に選択する必要があります。
TIMの性能を表すのに「熱抵抗値(サーマルインピーダンス):℃・in^2/W」がありますが、そのカタログ値は各メーカーそれぞれの環境における試験値であり、製品間の比較や、実環境における性能予測に使うことはできません。
そこで弊社では、現在、規格品として販売している TIM について、実環境に近い同一の条件下でその性能を評価し、比較しました。
TIM選定における参考データとしてご参照ください。
PRE9060を基本としたサーマルインターフェース評価用のヒートシンクを使用しました。まず、ベースに凸部を持つヒートシンクの性能評価を行い、これを基準の熱抵抗値としました。次に、その凸部を切削除去し、同一素材、同一サイズのプレートで、評価対象のTIMを挟み込みました。この熱抵抗値と基準の熱抵抗値との差をTIMの性能としました。試験は、様々な強さの取付荷重において、数回づつ実施されました。性能はフェイズチェンジ材が確実に軟化するよう、70℃まで一度温められた後に測定を開始しました。
※上記試験結果は、上記試験方法においての実施結果であり、使用状況の異なる環境・ロットでは異なる性能を示す可能性があり、この性能を保証するものではございません。
上記の試験結果より、それぞれの特長は次のようにまとめられます。