ヒートシンクの性能を表す代表的な値として、熱抵抗値 ( Thermal Resistance ) と 圧力損失 ( Pressure Drop )があります。
熱抵抗値は1Wあたりの温度上昇を℃/Wで表し、その値が低いほど高性能ということになります。
圧力損失はヒートシンクを通り抜ける流体(主に空気)の抵抗を mmH2Oの単位で表し、その値が低いほど理想的です。
たとえば、消費電力30WのCPUを使用しているコンピュータの放熱対策は以下のように考えられます。
このCPUの耐熱温度が 75℃ で、筐体内の風速が 1.5 m/s で、筐体内空気の温度が 45℃ とすると、そのときの風速での熱抵抗値が1℃/W以下のヒートシンクを選ぶ必要があります。
その理由はCPUを耐熱限界値75℃以内で使うためには、CPUの温度上昇を30℃(75℃-45℃)以内にする必要があり、30Wで30℃以内の温度上昇に抑えるためには、熱抵抗値 1℃/W (30℃÷30W)以下のヒートシンクで放熱しなければならないからです。
これはヒートシンクを選択するためのおおまかな目安となりますが、実際はヒートシンクが他の部品からの輻射熱を受けたり、圧力損失値の高低やヒートシンクに接している熱源の面積などによっても状況は変わります。